自然治癒力を取り戻す

自然治癒力を取り戻す

がん宣告恐れることは何もない

なんとか順調にきている人生に衝撃を与える言葉があります。勤め人にとっては「クビだ」という解雇通告がそれでしょうし、恋人たちや夫婦にとっては「別れる」という離別の宣言、そして病人は「がんです」という医師による宣告に恐怖します。「がんに関していえば、恐れることはありません。がんが過酷な生き方に対する適応現象とわかれば、不安は最小限ですむようになります。

たとえば包丁であやまって指を切ったとき、その傷が快癒するイメージを誰もがもっています。血が流れ、痛い思いはしますが、やがて傷がふさがりかさぶたができ、それがとれたときに治癒が売します。このような明瞭ながんの恐怖を取り除くことができないでいるのです。

治癒プロセスのイメージがないのは、医師がそれを患者に示すことができていなかったからです。免疫革命と免疫療法に取り組んできた私たちは、それを示すことができるようになりました。しかし、がん治療の三大療法で患者に対してきた医師は、手術でがん細胞を切除したこと、抗がん剤および放射線治療でがんが小さくなったことを示せるだけです。患者はそれで安心し、喜ぶわけではなく、再発に怯えながら暮らしていくのです。

三大療法は、免疫系を徹底的に抑えこみ、治癒へ向かうための生命力を殺してしまいます。だから一時的にはがんがなくなったり、小さくなるものの、再発したときには、それと闘う力がなくなっています。
再発が起こるのは、がんが発病する原因を取り除いていないことと、免疫力を失わせて逆に再発を容易にしているからです。

万人にあらわれては消えるがん細胞

がんが発生することは、顔青ざめ気絶せんばかりになるような、特別に邪悪な事態ではありません。誰でも毎日、1万個ほどのがん細胞が生まれています。それを白血球がせっせと殺しているから、発病することがないのです。

NK(ナチュラル・キラー)細胞についてはすでにふれてきましたが、がんを殺すこの白血球は加齢とともに数が増えていきます。生まれたばかりではごく少ないけれど、成人するころにはリンパ球中の0~5パーセントを占めるようにな
ります。比率はその後も増えつづけます。

また愉快に笑うことで、がんを殺す力が増大することが知られています。NK細胞のキラー活性が高まるには、パーフォリン分泌が必要です。パーフォリンは、リラックスした副交感神経優位の体調で分泌が盛んになります。あらゆる分泌現象は副交感神経の支配下にあるからです。「がんは怖い」と怯えるのは、自ら悪化する状況をつくっているのであって、がんを恐れず、愉快に笑って暮らしていることこそが大事なのです。これが8億年をかけてつくりあげてきた免疫システムの素晴らしさです。

私たちが免疫のメカニズムからそれを明らかにするまでは、がんの原因は発がん物質にあるといわれていました。つまり原因は外からやってくるという理解です。しかし、私たちが接するがん患者からは、この説明で納得できる話は出てこなかったのです。「それよりも大事なことが見出されました。免疫状態を調べていくと、ほとんどのがん患者に共通する傾向があるのです。どの人もリンパ球が減少して、免疫抑制状態に陥っていたのです。早期がん患者でもまったく同じことがいえます。ここに発想の転換のきっかけがつかめたのでした。

原因は外からきているのではない。交感神経の緊張状態が長く続いているという異常事態にあるのではないか。自律神経系の最大の持ち味はバランス力です。この力が失われているのです。副交感神経の優位な状態に戻ることができず、交感神経の異常な緊張によってリンパ球が減っているのです。

発想をこのように転換して患者さんと話をしてみると、ほとんどの方から強いストレス状態のエピソードを聞くことができました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です